ゲームはグラフィックじゃない!

友人

 先日、友人を自分の部屋に招いた。ガリガリ君を手渡したが、残念なことに歯医者帰りに寄った友人は「無理食えない。」とのこと。

「アイスはいいから何かもてなして。」

と言う友人に対して、私は私にできる最高のもてなしである64(ロクヨン)の【実況ワールドサッカーワールドカップ フランス98】をプレイしようと誘った。

 電源を入れテレビにゲーム画面が映し出されると、友人はのけぞった!

「なにこれ?昭和?時が止まってるよ!昭和で!」

私は

「そういわずにやってみろって!このゲームの面白さはやってみなけりゃわからない。」と勧めたが、友人は

「何このグラフィック?粗すぎる!」

と一向にコントローラーに触ろうともしない。それどころか

「うちにあるFIFAに比べるとガキのオモチャだ!」馬鹿にする始末。

 結局、友人は30分ほどでゲームはやらずに帰宅してしまった。その後

「最高のもてなしをありがとう!サッカーはいろいろな意味で驚いた。スーファミやんけ!まあ、お前の笑顔が1番のおもてなし。」

とラインを送ってきた。ついでに

「今のゲームはこんな感じ」

とFIFAというゲームの画像を送ってきた。それは確かに本物の選手の写真かと思われるような美麗なグラフィックだった。

「でも」

と私は言いたい。ただ単にグラフィックを本物に近づけるだけがゲームを面白くするんじゃないのだと。

 そもそも、ゲーム、特にスポーツ系のゲームを面白くするには2つの方向性があると私は考えている。一つはよりリアルに近づけること。これは友人の言うとおりだ。もう一つはよりディフォルメすること。64(ロクヨン)の【実況ワールドサッカーワールドカップ フランス98】や野球で言ったら【パワプロ】などがその例だ。これこそが私の考える面白いゲームだ。例えば選手の作成機能。ピンクの髪の毛に緑色の肌。そして、職場の上司なり友達なりの名前を付ける。能力は攻撃のパラメータに特化する。そんな選手を用いてワールドカップの優勝を目指すのだって面白い。また、自分なりのフォーメーションを作成たり、ディフェンスの設定をゾーンにするかマンツーマンにするか?作戦はどうするか?やりこみ要素は無限にある。それらの要素が発売以来、四半世紀が経とうとしているこの【実況ワールドサッカーワールドカップ フランス98】にはある。

 そこまで、やりこまずとも単にグラフィックが粗いというのはゲームの本質とは異なると思う。その昔プレイステーション2に【ワンダと巨象】と【ICO】というゲームがあった。どちらも、プレイステーション3が発売されたのでグラフィックをより細かくしたリメイク版が発売された。私はプレステ2でどちらもクリアしたのだが、プレステ3ではプレイしようとは思わなかった。結局グラフィックはきれいになってもゲームの本質自体は2も3も変わらなかったからだ。

 別の友人が言っていたのだが、プレステは2の時が一番面白かったと!実験的なゲームが多くていわゆるクソゲーもあったが、その分「こんなゲームがあるんだ!」という驚きに満ちたゲームもあったと。ゲーム界の【カンブリア紀】だったんだねと私は応じた。ちなみに【カンブリア紀】とは実に多様な言い方を変えると「へんてこりんな」生物が海に生息していた時代。

 さて、いろいろ述べてきましたが、結論としては「ゲームはグラフィックじゃない!」という話。プレイする側を「こんなゲームがあるのか!」と驚かせるようなゲームをプレイしてみたい。その意味では任天堂って凄いな!いつも我々を驚かせてくれる。任天堂の皆さんこれからも頑張って我々を驚かせてください!!!

PS. 最近のゲームは正直疎いので、何か面白いゲームがあったら紹介してください。

ではまた!

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