読み聞かせ

授業

 先日、学童で児童文学の読み聞かせをした。お題は芥川龍之介の『蜘蛛の糸』。小学1・2年生には少し難しいかなと思ったが皆よく聞いていた。読後の感想を求めると「お釈迦様ってどういう人なの?」という声が。以前とある寺の住職から教わった話をそのままに伝えた。

 「簡単に言うとね、お釈迦様っていうのは、あらゆる欲から逃れたいって言った人なんだ。誰だって欲があるよね。ハセッチだっていい車に乗りたいし、おいしいものを食べたい。病気になりたくないし、健康で長生きだってしたい。難しくいうと不老不死って欲の最たるものだよね、みんなまだ解らないかもしれないけど。そういうあらゆる欲から自由になりたい、つまり欲をかかないようになりたいって望んだ人なんだ。で、お釈迦様はあらゆる欲から逃れられる方法を探しに修行の旅に出てしまう。当時、彼には奥さんも子供もいたんだけどほったらかしにしてね。」

「で、その方法は見つかったの?」

「うん、ある時お釈迦様は気づくんだよね。あらゆる欲から逃れたいなんて、それ自体が・・・・?」

「わかった!一番の欲」

「そうその通り。そして悟りを開くんだ。その後弟子たちと共にその教えを広めていく。それが仏教つまりお寺の始まり。」

「ふーん。」

「ハセッチがどう思ったかと言うとね、結構このお釈迦様は勝手な人だなと。なんで身勝手と思うかわかる?」

「奥さんと子供いたのに修行の旅に出たから?」

「そう、それもあるし、今回も気まぐれでカンダタを助けてやるかと言うと途中で止めちゃうし。何だか身勝手だなあと(笑)」

 そこで、私こと長谷川の、おこがましくもしたためた『新釈 蜘蛛の糸』を披露しようかとも思ったがさすがにそれは止めておいた。こっぱずかしいし、子供たちを混乱させてしまうかもしれないと思ったからだ。

 今回もそうだが学童に勤めて改めて思うのは「子供は大人が思うほど子供ではないし、大人は子供が思うほど大人ではない」という事実だ。『蜘蛛の糸』などは子供が読んでも、我々大人が読んでも十分に面白いし響くものが在る。そういう文章を今後も子供たちに紹介してゆきたい! 

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