文章を書くという事

雑記

 先日、ある中学生から質問を受けた。

「どうやったらいい文章を書けますか?」

私が

「読みやすい文と読みにくい文どっちがいい?」

と聞き返すと、その生徒は

「読みやすい文。」

と。私が

「じゃあ、1つの文の中に主語が3つも4つもある文と1つしか無い文どっちが読みやすい?」

と聞くと、その子は

「あっそうか!」

と理解したようだった。その場はそれで収めたが、改めて考えてみると面白いテーマだ。いい文章ってそもそも何だろう?

 私が思うに、いい文章とは≪上手な文章≫かつ≪面白い文章≫の事だ。単に≪上手な文章≫なら訓練次第で誰にでも書ける。ただ、≪面白い文章≫となると話は別だ。

 まず≪上手な文章≫について。≪上手な文章≫とは読んでいて心地よくなる文章のことを言う。そう私は理解している。読み心地がいいというのは、言い換えれば、リズミカルでメロディアスだという事だ。例えば、中島敦の『山月記』などはその最たる例だろう。名文・美文と呼ぶにふさわしい。国語の教科書に載るのもうなずける。リズムとメロディー、その意味で音読とはとても理にかなった勉強法だ。私もよく『山月記』を音読した。音読が有効である以上、“音感”は非常に重要な要素だ。生まれつき音感が優れている人もいる。そうでなくとも音感はある程度は練習次第で身につくものだ。文章を書くのが上手になりたければ音読もしくは、心の中で読むことはとても有効な方法だ。ぜひ音読しよう!

 問題は次だ。≪面白い文章≫とは何か?私が考える≪面白い文章≫とは着眼点・発想・切り口が優れている文章だ。どんなに上手に書けている文章でも、みんなと同じことを同じように感じて、同じような文章にしたのでは、ちっとも面白くない。筆者独自の経験や思考が活かされて初めて面白いと言えるのだ。その意味で面白い文章を書くためには≪予定調和的価値観≫から脱却する必要がある。【足並み揃えて皆と同じ】では駄目なのだ。では、どうしたら、予定調和から脱却する事、つまり独立思考ができるようになるのか?私が思うに、そのカギはやはり、読書にある。本でもマンガでもよい。とにかく読むことだ。そしてその中に独立思考のヒントは詰まっている。ただ、現代の物ばかり読んでいると嫌でも【時代のフィルター】がかかってしまう。だから出来る事なら、10年20年、もしくは100年1000年と長く読み継がれているものを読むのが良い。そこに独立思考の種子は埋まっている。古典は馬鹿にはできないのだ。

 以上、私の考える【文章上達法】です。1つ断っておきますが、面白い文章を書く条件である独立思考。少なくない場合において、私を含めて、この独立思考ができる人は周りから厄介者扱いとは言わないまでも、煙たがられる傾向にあります。特にこの国では・・・。そういった傾向が改善されるように願っていますし、働きかけていきたいとも考えております。自身の翼で飛べ!とは言いません。せめて自分の足で歩こうよ!自分の足があるならば・・・。と私などは愚考するのです。いかがでしょう?

ではまた!

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