先日、『源氏物語が面白いほどわかる本』(出口汪著)を読み終えた。こう書くと必ず
「なんだ、簡略本じゃないか!原文読まなきゃダメだよ!」
と言う輩がいる。こう言う輩の多くは単なる権威主義者か、もしくはマウントをとりたいだけのチキン野郎だ。そう私は思うことにしている。
簡略本の何がダメなのか?そりゃ、映像作品にしろ、アニメにしろ、原作・原文を読んだほういいいと私だって思う。その方が作者の想いに肉薄できるからだ。でも、そうはいっても原文を読むのは【源氏物語】のような長大な物語の場合難しい。情報量は多いし、第一古文だ。
私が高校生の時も、【源氏物語】はそのごく触りだけを原文で読んで、あとはほとんど触れなかった。「源氏物語は日本が世界に誇る古典文学だ。」と教わりはしたものの、何がどう面白いのか?そのおぼろげな全体像くらい説明してくれてもよかったのに・・・。
そう、大切なのは全体像なのだ。学校教育において【源氏物語】は多くの場合【木を見て森を見ず】で終わってしまっている。細部だけを見たのでは【源氏物語】の面白さは解らない。全体像を見せて「ああ、面白いんだな!」と言う事がわかれば、後は放っておいても自分から読もうとするのではないか?大切なのは興味を持たせることだ!そしてそのために必要なのは物語の全体像を知ることなのだ!
私だって、中田敦彦さんのYouTube大学で見なければ【源氏物語】を改めて読もうなどという気は起きなかったに違いない。YouTube大学でその全体像を知って初めて「面白そうだ!」と思ったから本を買ってまで読んでみようという気になったのだ。(中古本だけど)
だから
大まかな全体像 → 簡単なダイジェスト版 → 簡単な現代語訳 → 原文
という風に段々にで良いから、日本人の最低限の教養として、【源氏物語】を読んでみることをお勧めする。「原文読んでないんじゃ駄目だよ!」なんて言うのはつまるところ、自分のポジションが脅かされるのを恐れるだけの、専門家気取りの2流3流のいい草に過ぎない。本物の教養人はそんなことを言いはしない。相手の身の丈に合った形で本物の教養に触れさせてくれるはずだ。
重複しますが、そんなわけで是非【源氏物語】を読むことをお勧めします。まずは全体像を把握するところから。その後簡単なダイジェスト版等に進んでいくとよいでしょう。大切なのは面白さを実感することです。難しい字面ばかりを追ったからと言って、それでは読んだことにはなりませんよ。背伸びする必要はないのです。
ではまた!
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