信じる力

人生に対する姿勢

 NHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』が熱い。主人公の川原喜美子は夫で陶芸家の八郎の影響で次第に陶芸にのめり込んでいく。やがて多大な費用の掛かる穴窯を続けるか否かで八郎と喜美子は意見が割れる。借金をしてまで穴窯を続けることに反対する八郎は家を出て行く。その際に主人公・喜美子が八郎に言った言葉が印象的だ。「八さんには信じる力がない」その後、喜美子は穴窯で灰が自然な釉薬となる手法を日本で最初に確立した陶芸家として名声を手に入れる。
 

 話は変わるが夏目漱石の『こころ』も初めは自費出版だった。当時、ある小さな古書店の店主が新聞に連載されていた『こころ』に感銘を受け、出版依頼を直談判しに行き、漱石から承諾を得て自費で出版にまでこぎつけたのだ。それが100年たった今でも読み継がれる大ベストセラーとなった。その古書店の店主が岩波茂雄。現在の岩波書店の創始者である。岩波茂雄にも良いものは良いと「信じる力」があったのだろう。そう「信じる力」とは情熱なのだ。そして卑近な例で恐縮だが私にも「信じる力」がある。それは言葉を「信じる力」、文章を「信じる力」だ。つまり言葉への情熱、文章への情熱が私にはある。それは何人にも侵せないものだ。

 その情熱の結晶24作品が今年7月から幻冬舎ルネサンス新社のホームページ「表現者の肖像」に順次掲載されます。まだ少し先の話ですが、ご興味を持たれた方は是非お読みください。損はさせないと信じております。

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