ノリの悪い男

友人

 私事で恐縮だが、どうも私はノリが悪いらしい。今日友人が言う事には

「職場で休憩時間に若い女の子が一人でうずくまっている。5分もそうしているから、俺がどうしたの?と声をかけるとその子は不審そうな目でこちらを見て、スマホ見てるだけですよって。」

 私はそれを聞いて

「ふーん。まあ、そんなこともあるね。有難迷惑と言う奴か。」

と軽く返した。それを聞いた友人は

「それだから、あなたとの会話は非常にboringつまり退屈だ。」

と。友人は続けて、

「この話をビルの警備員さんにしたら、警備員さんは「とか何とか言ってYさん下心あったんじゃないの(笑)。」と返してくれた。俺は「いや、そんなことないっすよ(笑)」そこで二人で笑いあえる。それに比べて貴方は非常にノリが悪い。」

 それを聞いて私は、正直痛いところを突かれたと思った。

「確かに俺はノリが悪い。そういうの苦手と言うか、俺全然できない。」

 そう、私はいわゆるノリ突っ込みとか、そういう関西的なコミュニケーションの基本の基もできない。友人の言うとおり私はつまらない男だ・・・。でも私だって少しは反論したい。

「でもさ、関西的ノリ突っ込みって、クスリと笑えるユーモアやウィットもないし、知性も感じないし、要は内容がないよね!」

と言うと友人は

「そりゃ中身はないよ。だってあれは挨拶だもの。挨拶に中身なんかないないでしょ。」

とこれまた、正論をはいた。私は

「あ~そうか!挨拶か!そうだよな、あれは挨拶代わりだものな。内容なんかないのが当たり前か。挨拶ってコミュニケーションだもんな。俺は、要はコミュニケーションが下手なんだ。」

どうやら、私はこの年になるまで、そういうことを学んでこなかったらしい。

「貴方はいつ、そういう技術を身に着けたの?」

と私が友人に聞くと彼は

「いや、いいんだよ。人にはそれぞれ身の丈と言うものがあって、それを超えたことをやろうとするのは良くない。貴方がノリ突っ込みをやろうとするのは、明治の自由民権運動に燃える若者が、平成のジュリアナ東京でお立ち台に立とうとするかの如くだよ。やめとけ(笑)。」

「なんだそりゃ(笑)」

なんだかわかったような、わからないような話だったが、友人なりの気遣いが良く分った。ありがとうY。

 そんなわけで、私はどうもノリの悪い男のようです。それはそれで自分では仕方ないと思ってはいるのだけど、もし、もしそういうのが、もう少し上手かったら、前の職場でも、もちっと上手くやれたのかもしれないなあ~とは少し思う。

 さて、この文章をお読みの皆さんはどうですか?できますか?ノリ突っ込み?

 まあなんにせよ、自分らしくいられる場所がその人の居場所だと思います。皆さんのそれぞれが自分の居場所を見つけられるように願ってます。

 ではまた!

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