ささやかなドラマ

家族

 今日は誕生日なので父の妹のK子おばちゃんが施設から我が家に遊びにきた。父と母と私とK子おばちゃんは、妹が父の日に送ってくれたウナギを食べた。デザートにメロンも食べた。

「K子おばちゃん、ウナギまいう~だね!」

と私が親指を立てると、K子おばちゃんもニンマリと笑って親指を立てた。そんな風に私が気楽にK子おばちゃんに接しているのに対し、母は相変わらずK子おばちゃんに気を遣いすぎだ。と私の目には映る。ウナギを食べるのに、箸では食べづらいのではないかと、スプーンを持ってきたり、施設から送られてくる手紙を朗読してあげたりと、あれでは逆にK子おばちゃんが疲れてしまうのではないか?と私などは思った。見かねた父が

「箸でも、スプーンでも好きなほうで食べるから大丈夫だよ。」

と母を諭す場面があった。

 案の定、K子おばちゃんを施設に送り帰して、家に戻ってくると母はぐったりして横になった。私から一言

「気を遣いすぎだよ。もっと肩の力抜いてさ。」

と言ってやろうかとも思ったけど

「ニートのお前に言われたくないよ!」

なんて言われるのが落ちなので、やめておいた。代わりにこの場にはいない妹に

「ウナギごちそうさま。相変わらずお母さん気を遣いすぎだよ。そっちから今度それとなく言っておいてよ。」とラインしておいた。女同士のほうがこう言いうときは上手くやるものだと、私も経験的にわかるようになった。あとは妹に任せておけば大丈夫。

 と、こんな具合に今日も長谷川家ではごくごくささやかなドラマがあった。このささやかなドラマの積み重ねが家族を家族足らしめるんだなぁと思う。

 この文章をお読みの皆さんにも、ご家族が御有りのことと思います。そこにはどんなドラマがありますか?ぜひ1つ1つのドラマを大切にしてください。いつの日か、振り返った時、それらがきっと愛おしくよみがえってくることと思います。ありきたりですが、家族を大切に。

ではまた!

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